[負零用錢...]file640文字版(日文) - 名侦探柯南事务所

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ＦＩＬＥ640
レスキュー
急がねえと・・・やべぇ！！
元太：おい、なんだよコナンそれ・・・
光彦：紙飛行機ですか？
歩美：それってまるで・・・
イカさんみたいだね・・・
光彦：でも紙飛行機だったら頭の所をもう1回折るんじゃないですか？
コナン：いや・・・これで十分！
これを飛ばした人物は拾った人に・・・
こうやってイカを作って欲しかったんだよ！
哀：まさか・・・その人物って今　騒ぎになってる紙飛行機野郎の事かしら？
コナン：ああ・・・このイカをバラして・・・
紙を上下逆さにして・・・
紙飛行機を折ると・・・
ホラ、今朝回収された紙飛行機と・・・
そっくり同じになるだろ？
哀：なるほどね・・・機体に残った妙な折り目と分かれた黒い丸でさっきのイカを作らせ、
拾った人に本当のメッセージはイカだと伝えたかったのね・・・
コナン：ああ・・・
小林：ちょっと待って！
紙飛行機野郎って一昨日から都内に大量の紙飛行機をバラまいてる迷惑な人の事でしょ？
あれってただのイタズラじゃなく・・・
メッセージとかあったの？
哀：あったとみてもいいんじゃない？
一昨日、昨日、今日と、回収された紙飛行機にはそれぞれ　その日ごとに違う模様が入ってるようだから・・・
暗号のようなマークがね・・・
小林：でも誰がなんのためにそんな事を・・・
光彦：それを知るには暗号をコナン君に解いてもらうしかなさそうですね・・・
まずはさっきのイカに描いてあった黒い丸3つを・・・
――って、
元太：いねぇじゃんか！！
歩美：コ、コナン君？
園子：べ！？
その3つの黒い丸って「べ」っていう意味なの？
昴：ええ・・・恐らくは・・・
蘭：じゃあそれはモールス符号の「B」と「E」だったんですね！
昴：いや、これはアルファベットじゃなく和文モールス符号・・・
短点1つで「へ」・・・短点2つで断点を示していて・・・
合わせると「べ」になるんです・・・
蘭：へー・・・
園子：でもその「べ」がなんのメッセージだってわけ？
昴：この形を見てもわかりませんか？
蘭：形って・・・
園子：イカ？
昴：ええ・・・ですから今の「べ」とつなげればべ・イカ・・・
つまりこの紙飛行機はこの米花町を意味しているというわけです！
園子：ダ、ダジャレ・・・？
昴：まあ、暗号のほとんどは突き詰めればダジャレのようなものですし・・・
恐らくこの紙飛行機は、誘拐され　どこかに監禁されている代田社長が飛ばした物・・・
仮に犯人に拾われたとしても、犯人にさえ解けなければダジャレでもなんでもOKだと踏んだんでしょう・・・
蘭：でも代田社長はどこにいるんですか？
確か最初の紙飛行機は「SOS」で・・・
次の紙飛行機が「携帯の電波が入らない場所」でしたよね？
園子：さっきのも合わせると「米花町の圏外の場所に囚われているから助けて」になるけど・・・
蘭：米花町で地下以外にそんな場所あるのかなぁ？
昴：高層の建築物・・・
園子：え？
昴：携帯電話の基地局のアンテナは人口密度の高い地面の方に向けられていますから高い所からではるながりにくい・・・
しかもつながればつながったで、その高さゆえに複数の基地局の電波を拾ってしまい・・・
携帯電話が少しでも電波強度の強い基地局に切り替えようとするため、頻繁にローミングして結局　圏外になってしまう・・・
米花町には高層ホテルと高層マンションがありますが、
ベッドメイク等で部屋に部外者が出入りするホテルは監禁しにくい事を踏まえると・・・
代田社長が囚われているのは・・・
恐らく米花タワーマンションだと・・・
園子／蘭：ウソ！結構近くじゃん！
昴：まあ圏外というヒントは監禁場所が高層マンションだと暗示しただけで・・・
実際には犯人に代田社長の携帯は取り上げられているでしょうけど・・・
とにかくこの事を早く警察に！
園子：う、うん！
蘭：｛え？
電話・・・｝
新一（コナン）：「蘭！オレだ！
今どこにいる！？
蘭：｛し、新一！！｝
「ま、まだ新一の家にいるけど・・・」
新一（コナン）：丁度いい！その近くの米花タワーマンションに向かってくれ！
誘拐された代田社長が監禁されてるのはそこだ！
蘭：え？じゃあ解けたのね、紙飛行機の暗号！
新一（コナン）：「ああ！説明は後だ！」
オレの部屋の机の上から2段目の引き出しに双眼鏡が入ってる！
それを持って米花タワーマンションのそばに建ってる、ニュー米花ホテルの展望エレバーターに乗ってくれ！
そこから見えるマンションの窓の手スリかベランダに、紙飛行機がいくつかひっかかってる部屋があればビンゴだ！
蘭：でも、そこからだとマンションの片側しか見えないよ？
新一：「ああ・・・見えない側だったとしたら無駄足になるが、何もしないよりマシさ！
警察を呼ぶのは園子に任せてすぐにそこに！」
言っとくけど、監禁場所がわかったからって勝手に突入するなよ！
限りなく0に誓いが、今朝自殺した誘拐犯には仲間がいてそいつがまだそこに居る可能性もあるからな！
蘭：うん！わかった！！
園子！後は頼んだよ！
園子：あ、ちょっと！！
じゃあ警察に連絡するのは昴さんに任せて、わたしも蘭と行っていい？
暗号説明するの大変そうだし・・・
昴：いや・・・通報するのは警察と面識のある君の方が適任かと・・・
まあ現場は彼女と彼に委ねましょう・・・
推理好きの金一君に・・・
蘭：！！
コナン：え？あったのか！？
蘭：「うん！36階の東に面したフロアの、向かって右端の部屋！
窓が開けっ放しになっててベランダにいっぱい紙飛行機が・・・」
新一（コナン）：「じゃあ、その部屋の事を警察と連絡を取ってる園子に伝えて・・・」
蘭：あ、園子からメール来たよ！顔見知りの刑事さん達がみんな別の事件で出払ってて事情を説明するのに手間取ってるって・・・
新一：「しゃーねぇな、オレが直接警察に・・・」
蘭：あ・・・
「ウソ・・・」
新一（コナン）：ん？どした？
蘭：「い、今飛んで来た紙飛行機・・・」
1万円札で折ってあるよ！！
新一（コナン）：「なに！？」
蘭：「何も書かれてないけど、これも代田社長が飛ばした物なの？」
新一（コナン）：ああ多分！何も描かなくてもお札が降ってくりゃみんな必死でどこから飛んで来てるか探すし、警察沙汰にもなる・・・それが代田社長の狙いだよ！
そんな物を昼間から飛ばしてるって事は、誘拐犯に気づかれるリスクを背負って一か八かの勝負に出てるって事！
つまり、監禁されてる代田社長の状態がかなりヤバイって事だ！
蘭：ええ！？
新一（コナン）：「紙飛行機が最初に見つかったのが一昨日の早朝だから、飛ばし始めてから２日半以上経ってる！
監禁場所に放置され、食事や水を全く与えられていなかったら餓死寸前だろうからな！」
とにかく！オレが警察と救急車を呼ぶから、蘭はマンションの前でそのまま待って！
蘭：「ねえ、新一ならどうする？」
新一（コナン）：え？
蘭：「こういう時新一なら・・・」
待ってないよね？
新一（コナン）：「お、おい・・・」
じゃあわたしも行く！！！
コナン：｛蘭！？｝
新一（コナン）：バカ、待て！言ったろ！まだ犯人の仲間がその部屋に潜んでる可能性があるって！！１人で突入するのは危険過ぎる！！
蘭：「でもそれって限りなく0に近いんでしょ？」
新一ならすぐに部屋に入って代田社長を助けるに決まってる！
教えて新一、その方法を！！
「新一！？」
女の人：あら、どなた？
蘭：い、今・・・向かいのホテルのエレベーターに乗ってたら見えたんです・・・
この部屋のベランダに怪しい人影が！！
女の人：ええっ！？
蘭：すぐに警察に連絡してください！
女の人：え、ええ・・・
あ、ちょっと・・・
蘭：｛あった！
避難梯子！！｝
新一（コナン）：「高層マンションは避難梯子の設置が法律で義務付けられている！
真上の部屋からそいつを使えばいい！
蘭が入るのは梯子を降りた先の部屋までだ！
誘拐犯の仲間が潜んでるかもしれねえ他の部屋には、絶対入るんじゃねーぞ！！」
代田：き・・・
君は・・・？
蘭：あなたの紙飛行機を見て助けに来ました！
女の人：あなた何を・・・？
キャアアア！！なんなの、その人！？
蘭：今ニュースになってる、誘拐された代田社長です！
友達が救急車と警察を呼んでいますから落ち着いてください！
代田：み、身代金は・・・？
つ、妻は無事に渡せたのか・・・？
蘭：大丈夫です！全て解決しましたから安心して横に・・・
新一（コナン）：「現場に着いたら、まず代田社長を仰向けじゃなく横向きに寝かせろ・・・もちろん枕も忘れずに・・・
次に窓を閉めて暖房をつけるんだ・・・窓が開いたままなら体温が下がってるから・・・
そして水・・・
体温で少し温めた水をハンカチに湿らせて代田社長の口に・・・
意識がはっきりしてない状態で無理に水を飲ませると・・・
誤嚥して気管に入り、窒息するかもしれるねぇからな・・・
それが考えられる最善の応急処置だ・・・
やれるか？蘭・・・」
蘭：「うん！できるよ！
新一！！」
｛ウソ・・・
やっぱり仲間が！？｝
あ、あの・・・
わたし・・・
救急隊員：話は聞いてるよ！！
毛利蘭さんですよね？
さあ、後は我々に任せて・・・
蘭：あ、はい！
救急隊員：そうそう、電話をして来た高校生・・・君の彼氏かい？
蘭：あ、いえそんなんじゃ・・・
救急隊員：彼に伝えといてくれるかなぁ・・・
状況説明はわかりやすく完結に！
焦っているのはわかるけど、ただ怒鳴り散らすだけじゃ要領を得ないってね・・・
まぁ、その必死さがこっちに伝わってすぐに駆けつけたんですけどね！
蘭：はあ・・・
「結局、その部屋は自殺した誘拐犯の自宅で仲間は存在せず、
膨れ上がった借金の返済目的のはんこうだったそうだ・・・
監禁されていた代田社長の体力もほどなく回復し・・・
奇妙な紙飛行機も街から消え、事件は決着した・・・」
園子：へぇーあの新一君が焦って怒鳴り散らしてたの？
救急隊員や警官に？
蘭：うん！わたしにはあんなに的確に指示してたのに・・・
新一っぽくないよねぇ？
園子：そりゃー、アータ！愛しい女房のピンチだったからなんじゃない？
蘭：まさかぁ・・・そんなキャラじゃないよ！
――ってか、女房でもないし・・・
コナン：｛ま、ぶっちゃけ・・・
そのまさかだが・・・
正直あの時、なんて言ったか覚えてないんだよな・・・
頭カーッと熱くなっちまって、
ただ一心に思い続けてたから・・・
このおてんばなレスキュー隊員を・・・
死んでも守んなきゃってな・・・｝
園子：そーいえば、新一君と昴さんの推理対決ってどっちが勝ったのかねぇ？
蘭：さあ・・・引き分けなんじゃない？
コナン：｛推理対決？｝
園子：まあ代田社長も無事退院したし、今頃昴さん祝杯あげてるかもね！
コナン：祝杯って・・・？
蘭：台所の棚に並んでたのよ・・・前に掃除に来た時にはなかったお酒が・・・
コナン：へー・・・
バーボンを愉しむ沖矢昴。偶然！？それとも・・・
第13号につづく

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