倉木と『コナン』の関係性は、2000年4月26日発売の「Secret of my heart」から始まる。同アニメ関連のシングル売上では、「Secret of my heart」が歴代1位の記録を持ち、世代問わず倉木の人気を印象づけた作品でもある。「誰にも言えない秘密」がテーマの倉木自身が手掛けた歌詞の世界観と独特のウィスパーボイスが、アニメのストーリー性としっかりと合致。もともとファンであった倉木の熱い作品愛がこもった歌は観客の心をつかみ、これらの相乗効果でそれぞれのヒットへと繋がった。
その「Secret of my heart」から始まり、劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』の主題歌「Time after time ~花舞う街で~」(2003年)など、倉木とコナンのコラボは今回で通算21作目となり、同一アニメでの最多主題歌担当としてギネス申請された。また今回の主題歌では、ミリオンセラーとなったデビュー曲「Love, Day After Tomorrow」(1999年12月発売/最高2位/累積売上138.5万枚)から41作連続通算41作目のシングルTOP10入りを達成。自身が歴代1位記録を持つ、ソロアーティストによるデビューからのシングル連続TOP10入り作品数を41作連続に更新した(歴代2位=田原俊彦の30作連続)。
一方で、同一アーティストが幾度となく同じアニメのテーマソングを歌うことは、一歩間違えばアニメの印象が強くなり、アーティストカラーに影響を及ぼす場合もある。しかし、倉木の場合は、自身のアーティストカラーを損なうことなく、ごく自然な形でアニメの世界観に寄り添っている。透明感溢れる歌声もそうだが、クリーンなイメージから『コナン』に限らずこれまで多くのタイアップ曲に起用され、NHK連続テレビ小説『オードリー』主題歌「Reach for the sky」など、作品の世界を上手く表現した歌詞に定評がある。