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发表于 2004-3-4 10:27:31
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そばにいるから ~このまま手をつないで~
雨に煙る景色は、次第にその輪郭を取り戻していた。
雲の隙間から陽が差し、光の階段を作りはじめる。
その光に誘われるように、蘭は眸を開けた。
「・・・・・・?」
左手に温もりを感じて視線を落とす。
ソファに身を預けて眠っている新一の右手が、蘭の左手を取っていた。
まるで
『傍にいるから』
そう言うかのように。
カーテンから漏れる夕陽が部屋に差込み、新一の顔を照らしている。
こうして改めて見ると、コナンは幼い頃の新一だった。
何故、別人だと思っていたのだろう。
それは蘭の願望だったのか、それとも・・・・。
願望だったのなら、コナンが新一であって欲しいという願いの方が、強かったはずなのに。
例え姿は小学生であっても、傍にいてくれたのなら、それでよかったのに。
黙って、何も言わずに見守っていてくれたと知った時。
自分が泣いていることを知っていたのだと解った時。
酷く動揺している自分に気付いた。
『新一には内緒よ』
そう言って何度自分の気持ちを打ち明けたことだろう。
それは全て本人に話していたのだから。
それなのに。
「忘れたわけじゃないわよね・・・・・」
コナンでいた時に、蘭が話したことを。
ぼんやりと窓の外を見つめて、蘭は記憶の糸を辿る。
あの時、なんと言っていた?
事件に巻き込まれて、記憶を失った時。
『工藤新一ってどんな人?』
そう尋ねた時。コナンはなんと言っていた?
『きっと、蘭姉ちゃんのことを一番に考えていて、でもそういう気持ちを素直に言えない人だと思うよ』
今でもそうなの・・・・・?
そして。
『好きだからだよ。この地球上の誰よりも』
確かにそう言ってくれたはずなのに。
あれは気休めだったの・・・・・・?
眸を開けて視線を上げると、蘭の横顔が映った。
蘭の左手は新一の右手に握られたまま。
それでも。
窓の外の、何処か遠くを見つめるその眸は淋しさを湛えて、深い藍色をしていた。
以前よく見たその表情に、新一は言い様のない苦しさを覚えた。
今の自分に何が言えるのだろう。
何が出来るのだろう。
コナンでいた頃。
抱きしめる腕もなく、慰める言葉さえもみつけられないまま、ただ黙って傍にいることしか出来なかった。早く元の姿に戻って、その辛さから開放されたいと願っていた。
でも、その願いが叶った今は。
抱きしめる腕はあっても、抱きしめることができない。抱きしめてしまえば離せなくなる。
姿は元に戻っても、蘭の気持ちに応える言葉を見つけられない。
先の解らない、この身体のせいで。
結局、あの頃と何も変わらない・・・・・。
「新一・・・・・?」
自分を呼ぶ声に我に返る。
戸惑うような蘭の視線は、つないだままの手に落ちている。
「私、もう子供じゃないわよ?」
手をつながなくても眠れると、そう言いたいのだろうか。
「雨、上がったみたいだから・・・・帰るわね」
そう言って、するりと抜こうとした蘭の手を、新一はもう一度握り締めた。
「新一?」
「傍にいるからな・・・・・」
「え・・・・・?」
もう一度、子供の頃に戻りたいなどと願っているわけではない。
ただ、あの頃のように無邪気に、自分の気持ちにもう少しでも素直になれたら、こんなにも蘭を苦しめることはないのだろう。
それでも。
今言葉に出来るのは、こんなことくらいで。
「もう、黙っていなくなったりしないからさ・・・・・だから・・・・・」
「だから・・・・・?」
「だから・・・・・もう、俺の心配なんてしなくてもいいからな」
驚いたような表情で新一を見つめ、蘭は溜息をつく。
「・・・・・・するわよ」
「心配するわよ。掴まえていないと、すぐ何処か行っちゃうんだから」
そう言うと新一の手に握られた左手に微かに力を込めて、悪戯っぽく笑った。
「だから、離さないからね」
つないだ手を離さないように。
想い出も、未来も、その手の中に握り締めて。
今は何も言えなくても、
いつか全てを話せる、その時まで。
-------END---------
MONO语:这两篇文章其实不是一个人写的,完全是因为后者看了前文以后,感觉意犹未尽就写了后文.但是,给MONO的感觉却是相同的,同样是平凡的小事,淡淡的哀伤,将新兰的感情烘托得尤为突出.
文章的名字也不是像MONO所起的那样,前后连贯的.不过,既然用了"执子之手",就一定要有"与子偕老"啊.说句实话,如果没有续文的话,MONO也不敢将前篇起名为"执子之手"啊~~~~笑~~~~
最后还是要谢谢大家的支持.
MONO会努力用更好的译文来回报大家的知遇之恩. |
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